2024年12月、iDeCo制度がより使いやすくなりました。企業年金に加入している方にとって、特に注目すべき改正です。これまで月額1.2万円だった投資上限が2万円に引き上げられ、手続きもオンラインで完結できるようになったからです。この改正により、年間で最大9.6万円の追加投資が可能になり、それに伴う税制優遇も広がります。
本記事では、すでにiDeCoを活用している方はもちろん、「iDeCoを始めてみようかな」と検討中の方に向けて、改正内容とその活用法を解説します。この機会に、より効果的な資産形成について考えてみませんか。
【ご注意】 本記事の情報は2025年2月時点のものです。実際の手続きや制度の詳細については、最新の情報をご確認ください。
この記事のポイント
・拠出限度額が月額1.2万円→2万円に引き上げ
・加入手続きが大幅に簡素化
⚪︎事業主証明が原則不要に
⚪︎マイナンバーカードでオンライン申請可能に
・企業年金加入者の資産形成の選択肢が拡大
iDeCo制度改正の背景

近年、確定拠出年金制度は段階的な制度改正が行われています。2022年5月には、加入可能年齢の引き上げや受給開始時期の選択肢拡大が実施されました。今回の2024年12月の改正は、さらなる制度の利便性向上を目指すものです。
【近年の主な制度改正】
実施時期 | 主な改正内容 |
2022年5月 | 加入可能年齢の引き上げ |
2022年5月 | 受給開始時期の選択肢拡大 |
2024年12月 | 拠出限度額の引き上げ |
2024年12月 | 加入手続きの簡素化 |
2024年12月改正の具体的な内容

1. 拠出限度額の引き上げ
企業年金(DB・共済等)加入者のiDeCo掛金の上限額が以下のように変更されます。
【拠出限度額の変更】
区分 | 現行 | 改正後 |
企業年金(DB・共済等)加入者 | 月額1.2万円 | 月額2万円 |
[出典:政府広報オンライン]
拠出限度額の引き上げにより:
- 月々最大8,000円の追加拠出が可能に
- 所得控除の幅が拡大
- 税制優遇を受けられる範囲が拡大
2. 加入手続きの簡素化
加入手続きについて、以下の2点が大きく変更されます:
【手続き方法の変更点】
手続き項目 | 現行 | 改正後 |
事業主証明 | 必要 | 原則不要 |
本人確認 | 書面 | マイナンバーカード対応 |
申請方法 | 書面中心 | オンライン拡充 |
改正後の制度活用のポイント

1. 拠出限度額引き上げを活用する
現在iDeCoに加入している方は、拠出限度額の引き上げを機に投資額の見直しを検討してみましょう。例えば月1.2万円を上限に拠出している場合、改正後は追加で8,000円まで拠出できるようになります。老後資金の目標達成に向けて、拠出額を増やす良い機会です。
💡実践のコツ: 増額を検討する際は、家計の収支状況を確認しましょう。家計簿アプリや通帳の記録で3〜6ヶ月分の収支を分析し、固定費(家賃や保険料など)と変動費(食費や趣味の支出など)を区別することで、無理なく増額できる金額が見えてきます。一度に大幅な増額ではなく、段階的に増やしていく方法も検討してみましょう。
2. 税制優遇を最大限に活用する
iDeCoの掛け金は、全額が社会保険料控除の対象となります。年収によって税率が異なるため、同じ拠出額でも節税効果は変わってきます。参考までに、改正後の拠出限度額である月額2万円(年間24万円)を拠出した場合の節税効果を、給与収入400万円と500万円の例で比較してみましょう:
【節税効果の比較】 給与収入400万円の場合(税率20%)
- 年間拠出額:24万円(月2万円)
- 所得税の節税額:24万円 × 20% = 48,000円
- 住民税の節税額:24万円 × 10% = 24,000円
- 年間の節税効果:約72,000円
給与収入500万円の場合(税率23%)
- 年間拠出額:24万円(月2万円)
- 所得税の節税額:24万円 × 23% = 55,200円
- 住民税の節税額:24万円 × 10% = 24,000円
- 年間の節税効果:約79,200円
このように、改正後の拠出上限まで活用することで、年収に応じた税制優遇を最大限に受けることができます。特に高い税率が適用される方ほど、節税効果が大きくなる傾向があります。
3. オンライン手続きを活用する
改正後はオンラインでの手続きが可能になりますが、以下の準備が必要です:
【必要なもの】
- マイナンバーカード
- 未取得の場合は市区町村窓口かスマートフォンで申請
- 申請から受け取りまで1ヶ月程度必要
- 読み取り環境と必要書類
- マイナンバーカード読み取り対応のスマートフォン
- インターネット接続環境
- 給与明細(直近3ヶ月分)
- 源泉徴収票(前年分)
💡実践のコツ: マイナンバーカードをまだお持ちでない方は、申請手続きを早めに済ませておくことをおすすめします。申請から受け取りまで1ヶ月程度かかるため、必要になってから申請すると手続きに時間がかかってしまいます。マイナンバーカード読み取り対応機種は、総務省の「マイナポータルAP」アプリの動作推奨環境のページで確認できます。
まとめ

2024年12月のiDeCo制度改正は、以下の2点が主なポイントとなります:
- 企業年金(DB・共済等)加入者の拠出限度額引き上げ
- 月額1.2万円から2万円へ
- 税制優遇を受けられる範囲が拡大
- 加入手続きの簡素化
- 事業主証明の原則廃止
- マイナンバーカードを活用したオンライン申請の拡充
【制度改正スケジュール】
項目 | 実施時期 |
拠出限度額引き上げ | 2024年12月 |
加入手続き簡素化 | 2024年12月 |
※改正内容の詳細や具体的な手続き方法については、国民年金基金連合会のウェブサイト(URL:https://www.npfa.or.jp/)でご確認ください。
企業年金にご加入の方は、この制度改正を機に拠出額の見直しを検討してみましょう。拠出限度額の引き上げにより、月々最大8,000円の追加投資と、それに伴う税制優遇を受けることが可能になります。また、オンライン申請の導入で手続きもスムーズになりますので、まだiDeCoを始めていない企業年金加入者の方も、この機会に活用を検討してみてはいかがでしょうか。
【ご注意】 本記事の情報は2025年2月時点のものです。実際の手続きや制度の詳細については、最新の情報をご確認ください。